杜奏みやび 『女子高生同士がまた恋に落ちるかもしれない話。』 (電撃文庫)

目が合った瞬間、また、昨日のことを思い出していた。

418号室の中、挨拶をしようと佑月に声をかけて、そこで目が合った瞬間のこと。

まるで“特別”を形にしたみたいな、そんな女の子の、佑月に。

わたしはもう、自分が呼吸を続けてしまっていいのかも、わからなくなって――

八年前。星空の下、帰れなくてひとりで泣いているわたしに声をかけてくれたのは、背が高くてかっこいい、同い年くらいの女の子。それはわたしの初恋だった。

高校生になったわたしは、初恋の女の子に再会した。星楽部に集まった四人の女子高校生、その間にあるちょっとしたすれ違いと両片想いを描く、二度目の初恋の物語。きららか百合姫かと言った雰囲気のオーソドックスな青春小説。四人全員主役の、ノクチル的な群像劇になるのかしら。二巻はもう決まっているようだけど、売れないとヤバそうなことがあとがきから伝わってきた。良くも悪くも変な癖は薄いので、次も読もうと思います。