「貴様の父上からよく言われた。味方の味方は味方、味方の敵は敵、敵の敵は味方。しかし、ときには味方が敵になることもある」
「俺には味方も友人もいません」
「いいことだ」
第二次大戦以来、日本とドイツに分割統治されるアメリカ。〈戦争の息子たち〉による革命の成功が、事件の始まりだった。
腐敗政権の打倒を目指す秘密組織〈戦争の息子たち〉のメカパイロット守川励子。特高警察課員、若名ビショップ。日本合衆国に牙を剥いた伝説のナチスキラー、ブラディマリー。三者をめぐって繰り広げる、『ユナイテッド・ステイツ・ジャパン』、『メカ・サムライ・エンパイア』に続く改変歴史SF三部作の完結篇。今回はサスペンス小説の風味が特に強かった気がする。ときどき挟まれる日本合衆国のサイケデリックな光景は楽しかったけど、ストーリーはちょっと冗長だったかもしれない。一作目のインパクトを超えられなかったなあ、というのが正直な気持ちです。
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