呂暇郁夫 『楽園殺し 鏡のなかの少女』 (ガガガ文庫)

完璧を目指しなさい。

淀みのない白。

あるいは何にも染まらない黒のように。

はるか昔、この世界は砂塵に覆われた。人類に毒と異能ともたらした砂塵は世界を大いに荒廃させ、わずかに残された楽園たる偉大都市は様々な人間と社会が集まっていた。偉大都市を取り締まる中央連盟は、〈粛清官〉のシルヴィ・バレトとシン・チウミのふたりに、ひとを獣に変貌させるというドラッグの捜査を命じる。

砂塵の舞う偉大都市で、ふたりの粛清官はそれぞれの思惑を胸に過去と向き合う。銃弾と血煙と砂塵が舞う、バイオレンスアクション小説。砂塵にまみれ荒廃した世界、マスクをまとう復讐の物語。タイトルからはわからなかったけど、デビュー作『リベンジャーズ・ハイ』とそのまま地続きの物語なのね。軽快なアクションはさくさく読めるけど、ストーリーも現時点では相応に軽く見える。後編でどういう風に転ぶかな。



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