枯野瑛 『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#11』 (スニーカー文庫)

「話をしてみたいと思ったんです。まっすぐにぼくを壊しにきた、一直線に外の世界を守ろうとした、妖精のあなたと」



〈最後の獣〉(ヘリティエ)が創造した世界の核として生まれた少年は、世界を壊すために現れた五羽の妖精と戦う。終末に向かう世界と、過去の寄せ集めである〈獣〉の世界がぶつかり、その跡に何が残るのか。

#10との上下巻となる、終末の終幕を描いた完結篇。浮遊大陸群(レグル・エレ)は静かに終わり、それでも生きる者はいて、世界は続いてゆく。思ったより長く続いた物語も、思った以上に静かに完結を迎えた印象。ここではない世界の終末を、余計な力の入らない落ち着いた筆致で描いた、大部のファンタジーでした。お疲れさまでした。


どうか、いまを生きる、あの優しく強き人々が。

忙しないあの終末の大地で――少しでも長く幸せな時を、過ごせますように。



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