髙村資本 『恋は双子で割り切れない2』 (電撃文庫)

違くなんてない。あんた達が勝手に違うって思い込んでいるだけ。そうやって簡単な言葉に騙されて、違うという認識を持ったことに満足して、私を遠ざけていく。壁を作っていく。

そう思っていたけど、みんなと会話を楽しめないのは私だけなんだって思ったら、私が異分子なんだって実感した。だから私は、みんなよりももっと高い壁を作った。

そうやって作られた壁は、ぼんやりとした寂しさ程度の理由じゃ破ることは出来なかった。

いろいろあった末、純と瑠実と那織の関係は一度リセットされた。「シンプルな三角関係」となった三人は、恋に対して三者三様の姿勢を見せる。そんな中、定期試験と双子の誕生日が迫りつつあった。

双子姉妹との三角関係ラブストーリー第二巻。今まで見えなかったものが見えるようになった結果、三人の関係はシンプルになり、それと反対に三人の頭の中は複雑になったり。そのきっかけがいわゆる「オタクに優しいギャル」なのが面白い。三者三様、別ベクトルでしゃらくさい語りはひとを選ぶところもある気がするけど、そういう面倒臭さも作品そのものの個性となっている。一巻と同様の、必要以上にしっかりした巻末の引用一覧もまたよし。引き続き楽しみにしております。



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