牧野圭祐 『月とライカと吸血姫7 月面着陸編・下』 (ガガガ文庫)

1960年、冷戦下で始まった宇宙開発競争。東西の大国が協力し、月面を目指す「サユース計画」は、1969年にひとつの結末を迎えようとしていた。

「そこに月がある限り、空想を現実にする挑戦をつづけましょう」

東西大国の宇宙開発競争の行く末を描いたシリーズ、完結。吸血鬼をはじめとしたあれこれを交えつつも、現実の宇宙開発を比較的忠実になぞってきた、と言って良いのかな。この一歩で世界は大きく変わるかもしれないし、ただの個人的な一歩にしか過ぎないのかもしれない。世界の未来にもふたりの未来にも、未知の希望が溢れている。あとがき(本には未掲載)も読んだけど、書くべきことは書ききった感はあった。シリーズを通していろいろと気になるところもあったけど、余韻と想像の余地を残す、良いラストだったと思います。お疲れ様でした。

さあ、帰りましょう。

新世界より、私たちの故郷へ。



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