葉月文 『ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい』 (電撃文庫)

これは、作家と女子高生。

そして多分、本の数だけ存在する僕と君を巡るとても大切な話だ。

作家としてデビューして6年。重版未経験の作家、ホヅミこと空束朔はスランプに陥っていた。渾身の原稿が全ボツとなり、編集から意に沿わない売れ線のラブコメを書くよう指示される。くさくさした気分でアパートに帰り着いた朔は、玄関前でひとりの女子高生に出会う。

売れない作家と女子高生の、特別で奇跡のような日々に起こったこと。女子高生との、いわゆる押しかけ女房テンプレラブコメな日常。その中で、ラブコメを書くこと、小説を書くこと、物語を語ることを見つめ直してゆく。いかにもラブコメらしい退屈なラブコメかと思いきや、完全に裏切られた。物語を書き続けることを、これ以上ないくらいポジティブに捉えた、幸福な小説だったと思う。続きも買います。


言いっ放しの、自己満足だけどさ。

作家と読者の関係なんてそんなもんだろう。ハッピー、ラッキー、みんなにとーどけ、と願いを込めて僕ら(作家)が物語を投げかける一方、それを受け取ってどうするかは彼女たち(読者)の自由。それでも、どうか笑って欲しいと強欲に願うのが、叫び続けるのが、不器用な僕らだ。