「そもそも乃亜ちゃんってギャルなのかな。まずギャルは何をもってギャルなの?」
「確かに……趣味だけ見たらアタシ全然ギャルっぽくないな。ギャルって何、アタシって何? やばいなんか怖くなってきた抱きしめて」
ギャルなJK、香月乃亜は相変わらずお隣の独身サラリーマン、梶野の家に入り浸っていた。同級生の神楽坂、梶野の姪のえみりと当たり前のようにくつろぐ乃亜には、恋のライバルがいた。
この物語はシンデレラストーリーなどではない。
これは、何者にもなれなかった人間の、恋の物語だ。
乃亜の恋のライバルにして、梶野の会社の後輩にしてもうひとりのヒロイン、花野日菜子の過去。そして愛しいアラサー男の過去。タヌキ系ギャルのぐいぐいラブコメ第二巻。高校生と違って、大人にはいろいろなことがあるしあったよね、ということをオブラートに包みつつ、穏やかな空気の流れる空間を描いてゆく。キャラクターの奥行きというか、この巻で深みが一気に出たように思う。あくまでも軽い筆致だしするする読めるけど、そこに至るまではいろんなことがあったんだ、人間だもの。みたいな。タイトルと乖離してきている気もするけど、追いかけるのがぐんと楽しみになりました。
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