番棚葵 『エプロンの似合うギャルなんてズルい』 (MF文庫J)

「わかったよ、契約成立だ。その代わり、このことは誰にも言うなよ。同じ歳の女の子に世話してもらってるなんて、何か格好悪いからな」

「おっけ。ウチも、家事とかお世話好きなの、友達にバレたら恥ずかしいし。お互いに秘密ってことで」

あみるは軽いノリでうなずくと、嬉しそうに微笑んだ。

同じクラスの柚木あみるは金髪にメイク、派手なファッションのいわゆるギャルである。そして、俺の幼馴染でもあった。あみるが中学でギャルデビューして以来、とんと疎遠になっていたふたりの関係は、奇妙な形で再び交わりはじめる。

家庭的なギャルと真面目な優等生のラブコメ。エプロンの似合うギャルなんてズルい、というタイトル通りのお気楽に読める甘々な一冊。再会に伴って出会えたもの、変わらないものと変わったもの。疎遠になっていた幼馴染が再び接近したときに見えたものがしっかり描かれるのは良いですね。