瘤久保慎司 『錆喰いビスコ8 神子煌誕!うなれ斉天大菌姫』 (電撃文庫)

「『愛なきことがあたしの才』。でも……」

わずかに。

マリーの声が震え、温度を持つ。

「おまえを産んではじめて、あたしは自分の才を呪った」

妊娠したパウーのため、神のキノコである「霊雹」を探すビスコとミロ。その前に巨大な浮遊物体が現れた。周囲の生物を次々と取り込む巨大浮遊物体には、地球生命の保護を公約に掲げる箱舟大統領・メアが待ち受けていた。圧倒的な力を前にして、ミロが土壇場で産気づく。

ついに産まれるビスコとパウーの子供、かと思ったら先にミロがビスコの娘を産んだでござるの巻。母と息子と孫、三世代が集結し、ここまでの七巻に登場したすべての(存命の)キャラクターが登場。総決算と呼ぶにも恐ろしくカロリーの高い第八巻。なんというか、ものすごい贅沢なものを読まされてしまったというか。「愛」と「信仰」がビスコを生かし、物語の軸になり、次世代へと受け継がれる。感慨深いものがあった。それはまあそれとして、最後の最後で「は?」ってなった。ここまでやって、どういう風に話を広げていくの? とても楽しみです。