紙城境介 『継母の連れ子が元カノだった8 そろそろ本気を出してみろ』 (スニーカー文庫)

嫌だ。イヤだ! もうイヤだ。同じことを繰り返すのはイヤだ! 気色悪い、気色悪い、気色悪い気色悪い気色悪い! 綺麗なものだと思わせてくれ。男を、女を、人間を、もっと綺麗なものだと思わせてくれ。尊くて可愛くて美しい、綺麗なものだと思わせてくれ!

子供の頃の――思い出みたいに。

中間テストも終わった11月。生徒会長の提案で、生徒会親睦の旅行に行くことが決まった。参加者は生徒会に水斗、いさなたちを含めた男女合わせて十名。神戸異人館街、有馬温泉、二泊三日の小旅行。もちろん何も起きないはずがなく。

いつもと違うロケーションで、十人の高校生たちの「本気」と「本音」が交錯する。サブタイトル通り、「本気」がテーマになった群像劇ラブストーリー第八巻。読みおわって最初に浮かんだ感想が「強い」だった。なんというか、キャラクターの存在感というか、力みたいな強さをひしひしと感じる巻だったように思う。巻を追ってどんどん完成度が高くなっていると感じた。アニメ化も決まったし、ますます続きが楽しみです。