世界に不満を抱えて生きてきた高校生、佐藤ジローは、自分の夢を自由に操る能力を手に入れる。夢の中でクラスメイトをいいようにしていたジロー。その夢にある日、ジローの知らない少女が現れる。世界を治す医師を自称する少女、天神ユミリは、世界の敵であるジローを治療しに来たという。
これは僕、佐藤ジローが。
そんな彼女を殺すまでの物語。
夢と現実を行き来して紡がれる「暗黒恋愛譚」。世界を侵食する力を手に入れた少年と、世界を治療する少女の露悪的な描き方に、セカイ系的な懐かしさと虚無を感じた。読んでいる最中は楽しかったけど、そこに残るものはあるんだろうか、みたいな。いつもの作風といえばまあ、狙った通りではあるんだろう。