「ヤンキーの実在性を知ることは、己を高みに導くことに繋がる」
「……あ?」
「ヤンキーとは何か。なぜ天は人の上にヤンキーを造ったのか。知りたいと思わないか?」
「研究し続ければ、その天ってやつが教えてくれるのか?」
「答えは、人がヤンキーとして成長していく過程にあると思っている」
ヤンキーの聖地東北から上京した安室レンジ。東京最大のヤンキー都市、猫丘区でオタク生活を満喫していた。
天は人の下に人を造らず、人の上にヤンキーを造った。いろいろなものがぶっ飛んだヤンキー小説の第二巻。単語のチョイス(「ヤンキー猫!?」)といい、淡々としたストーリーテリングから語られるどこかおかしな流れのストーリーといい、全方位的に独特のセンスがある。こう、締めるべきところはもちろん締めてるんだけど、ときどきコントが挟まるというか、コントとそこ以外の区分が良い意味でふんわりしているというか。楽しいのは間違いないけど言語化が難しいんだよな。硬派なヤンキー小説を期待してるとかなーり変なものを読まされることになると思う。ぜひこのまま突っ走ってほしいと思います。