蒼井祐人 『エンド・オブ・アルカディア2』 (電撃文庫)

「……死ねないのに、どうして戦えるの? 何のために戦っているの? それって命よりも大切なことなの?」

《アルカディア》の破壊から二ヶ月。軍産複合企業テレサから逃れた秋人とフィリアたちは、協力して戦いながら生き延びていた。そんなある日、《エラー517》と表示される病変に倒れる仲間たちが続出する。治療のための設備を求め、秋人たち2400人の少年兵は移動を開始する。

死んだら生き返れないのに、どうして戦えるの? 戦い続けて死に続けて生まれ続けた子どもたちは、死ねない世界に足を踏み入れる。だいぶアーマード・コアに寄せていた気がするけど、一巻同様、いかにもゲーム的なミリタリの挙動だったり、小悪党の暗躍だったりを、誠実かつシンプルにテキストに落とし込んでいると思う。ゲームの小説家を意識したという話の軽さを、変に取り繕わないところが良い方向に出ていた。間違いなく好みは割れるだろうけど、はっきりした問題意識が見える作風は個人的にはとても良いと思っております。



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