――あれは最高の世界であり、最悪の世界だった。
アトランテラに住まう殺し屋、アベル・グランジ。現代日本の高校生、久住海斗。ある日、目が覚めると、ふたりは人格が入れ替わっていた。
伝説の殺し屋と、いじめられっ子の高校生。二つの世界の間で、入れ替わってしまったふたりは、己の知らない世界で必死に生きようする。いじめへの復讐のため、身体を鍛え格闘技を身につける高校生(殺し屋)。徐々に殺しに慣れてゆく殺し屋(高校生男子)。交わるはずのなかったふたりの運命は交錯する。深見真久々の小説は、筋肉とバイオレンスとわかりやすいカタルシスに溢れた安心の作風。さくっと読める、楽しいエンターテイメントでした。