「のくたーん、たたん……たんたん、たたん……」
ナノハにはいくつもの都市伝説がある。そのひとつは、裏社会から《死神》と恐れられる殺し屋、緋野ユズリハ。ある日、ユズリハは暗殺を依頼される。標的はたまたま街で知り合った金髪の少女、山田ハナコ。しかし、少女は不死身の魔女だった。
第18回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作は、都市伝説の殺し屋と不死身の魔女が織りなす復讐の夜想曲。殺したのに殺せなかった面白い女につきまとわれる殺人者の、父を殺した者への復讐譚、ということで、どことなくタイプムーン作品を思い出した(ちょうど最近自分が月姫Rを進めているためかもしれない)。ドライにもクールにもなりきれない物語は悪くないのだけど、ならではの魅力は薄いかもしれない。後半のテンポの悪さも気になったけど、そのあたりは今後に期待したいか。