少女リリスが手帳を覗き込み、「璃、とは?」
「宝石。瑠璃玻璃の璃です。偏には王の意味もあります」
「栖、は?」
「特に意味はありませんが、ルイス・キャロル著『不思議ノ国ノ有栖』と同じ字です」
「あはァッ、良いな。気に入った! 予は、この国では璃々栖と名乗ることとしよう!」
両腕のない少女の悪魔リリス――否、璃々栖が、嗤った。
明治36年、神戸外国人居留地。13歳の少年
第27回スニーカー大賞金賞受賞。明治36年11月、観艦式を前にした神戸で、
少女リリスが手帳を覗き込み、「璃、とは?」
「宝石。瑠璃玻璃の璃です。偏には王の意味もあります」
「栖、は?」
「特に意味はありませんが、ルイス・キャロル著『不思議ノ国ノ有栖』と同じ字です」
「あはァッ、良いな。気に入った! 予は、この国では璃々栖と名乗ることとしよう!」
両腕のない少女の悪魔リリス――否、璃々栖が、嗤った。
明治36年、神戸外国人居留地。13歳の少年
第27回スニーカー大賞金賞受賞。明治36年11月、観艦式を前にした神戸で、