香坂マト 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います6』 (電撃文庫)

「ま、待て、三日って長期なのか? 週にある二日の休みにちょっと何かくっつけばあっという間に形成されそうな連休……」

「やかましいわ!! そもそもクエスト・カウンターは週休二日じゃなくて、一週間に一日しか休みがないのよ!」

「そ……それは……すまない……」

社会人のわずかな楽しみ、長期休暇を前に、どっかと降り注ぐ新たなダンジョン発見の報せ。このままではただでさえ短い休暇が消えてしまう……。休暇のため、またもや地獄の残業の日々。そんな折、残業で動けないはずの処刑人にそっくりの偽物が現れたという。

偽の処刑人登場、あまりに短い長期休暇、短い帰省、姉が好きすぎるアリナの弟登場、そして強大な敵の登場と、多くないページにけっこうな情報量が詰め込まれた第六巻。アリナを今のアリナたらしめた幼いころの思い出を乗り越え、大切な人たちのために未来を向く。なんだかんだと前向きで強い物語には元気をもらえる。ストーリー的にはクライマックスに突入しそうな雰囲気だけどどうなるんだろう。引き続き楽しみにしています。