鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。2』 (MF文庫J)

「ふざけるな」

指が残り一本になったところで、御城(ミシロ)は言った。

「ん。なに?」

「ふざけないでくださいまし!!」

〈キャンドルウッズ〉から三ヶ月。しばらくゲームから離れていた幽鬼(ユウキ)は、十回目のゲームに復帰する。目標とする九十九連勝へ向けて、勝ちを積み重ねる幽鬼(ユウキ)。やがて、プレイヤーに〈呪い〉が降りかかると言われる〈三十の壁〉に差し掛かろうとしていた。

どいつもこいつも、なぜ生身にこだわるのか。

答えは単純。

肉体を捨てたプレイヤーは長生きできないと、みんな知っているからだ。

金持ちの見せ物として執り行われる(とされる)、肉体改造された女の子たちの殺し合いの物語第二巻。変に取り繕うことをせず、機械的にただただ書いた、みたいな感覚があった。白のワンピースやら露天風呂やら、ベタベタな舞台装置で、それぞれにドラマを背負った少女たちが殺し合いあっさり死んでいく話なのに、欲が感じられないというか、闇とも呼べない、虚無のようなものを中心に感じるというか。似た小説として「魔法少女育成計画」を思い出したんだけど、それを強烈に脱臭した感じというか。良いと思います。