蒼井祐人 『エンド・オブ・アルカディア3』 (電撃文庫)

否、こんな奴が“神”であってなるものか。

だがしかし、この状態の神崎徹を“人間ヒト”と呼ぶには、あまりにも時代の認識が追いつかなすぎる――。

クローン体の病、〈エラー517〉を克服した秋人とフィリアたちのもとへ、正体不明の助けを求める“声”が届く。声の主は、《アルカディア》の、製作者にして秋人たちをここまで導いた《JUNO》だった。救出された《JUNO》は“死を超越した子供たち”の秘密と、《アルカディア》を完全に破壊する方法を語る。

死と複体再生リスポーンを繰り返し、終わらない殺し合いを繰り返す。死んだら終わるという大きなルールチェンジを経て、子供たちが「自分の頭で考え」て出した結論と、戦いの終焉を描く。かなり駆け足気味、かつ書くべきことをめちゃくちゃに詰め込んだ印象を受けた。青臭さを隠さない、ちょっと恥ずかしくなるような語りがテーマにマッチしていて、ひとを選ぶところはありそうだけどとても良いと思う。もうちょっと読みたかったな。お疲れ様でした。