「あの! 先輩は『きれいなバッドエンド』と、『ぐちゃぐちゃなハッピーエンド』、どっちがいいと思いますか……?」
『ペンと花火』が特別新人賞を受賞したことで、千太郎たちは和歌山の田舎町のPR映画を制作することになった。夏休み、海辺の町の撮影合宿。アクシデントや変わった出会いもありながら順調に進む撮影だったが、主役を演じる桜がラストシーンで失敗を犯してしまう。
桜はるかには、役者として致命的な欠点があった。泣けない役者にいかにして泣いてもらうか。映画作りと嘘でできた青春小説、第二巻。今回は役者にスポットライトを当てた巻になるかな。一巻と比べると焦点とテーマが非常にはっきりしたものになっていたと思う。役者をやるという『覚悟』。それは地獄に進んでいくようなもの。フレッシュさもあり、生々しくもキレがある。本当に良い青春小説だと思います。
kanadai.hatenablog.jp