「裏世界のことはわからないが、怪談は人間のものだ。人間の言葉で語られ、人間の概念で作られる言語空間だ。それを裏世界が利用しているとしたら、そこで使用される語彙や概念は、怪談で語られるものに限定される。その範囲において、我々は裏世界の干渉を認識できる」
「はい」
「だとしたら、この言語空間の範囲は、これまで人間が語ってきた過去の怪談を分析することで特定できるはずだと思わないか?」
自ら〈鵼〉と名付けた、特別な関係になった空魚と鳥子。マヨイガの住人との別れ、裏世界とのコンタクト、潤巳るなとの和解。ふたりの間のみならず、人間関係が、裏世界とふたりの関係が変わってゆく。夏休み、ある種の区切りと新たな一歩を描いた第七巻。比較的平和(?)なエピソードが続く中で、空魚の人間性が垣間見える瞬間がかなり多かったような気がする。「カイダンクラフト」の登場で、SFとしてもまた一歩かっ飛んだ印象。引き続き、楽しみにしております。
