ああ、急に叫びたくなってきた。
世界中の、私を嫌って孤独に追いやったヤツら全員に対して。
「ざまあみろ―――――――――――――――――っ! あはははははははははっ!」
高二の夏。教室で息を潜めて生きていた宮下永遠の前に、転校生の長瀬刹那が現れる。人形のように整った容姿と、人魚を自称するエキセントリックな態度。正反対の嘘を身にまとったふたりの、命をかけた恋の始まりだった。
一週間だけ僕の彼女になってほしい。その後、僕を食い殺してくれ」。嘘で始まり嘘で終わる。命をかけた嘘の契約恋愛の、はじまりと終わり。ここに本当のことはどれだけ含まれているのか。ある意味ではプロローグですべてが終わっているのかもしれない。これも暗黒青春小説と言っていいのかな。自分にとってはそこまでだったけど、たぶん刺さるひとにはものすごく刺さる小説だったと思います。