「幻滅されたくなくて……ずっと話していなかったけど……私は、本当は……勇者になんてなりたくなかった……」
バスクルビアに滞在している勇者の末裔エリシアは、クロスに「父に会うのに一緒に来てほしい」と突然お願いする。勇者一族の現当主にして世界最強の男、ガルグレイドの詰問をクロスはどう躱すのか。
クロスに心を開いていくエリシア。だがふたりの間にはいくつもの、そして最強の困難が立ちはだかる。集結した当代勇者パーティの思惑と、〈無職〉と次代勇者の間に横たわる深い溝。なんだかんだと敵なしだったクロスくんの前に、ついに世界最強の敵が現れる第六巻。シンプルだけど、ありがちなパワーインフレをうまくコントロールして、飽きさせない話作りがなされていたと思う。いいところで終わっているので、次も楽しみにしています。
