赤城大空 『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場6』 (ガガガ文庫)

「幻滅されたくなくて……ずっと話していなかったけど……私は、本当は……勇者になんてなりたくなかった……」

バスクルビアに滞在している勇者の末裔エリシアは、クロスに「父に会うのに一緒に来てほしい」と突然お願いする。勇者一族の現当主にして世界最強の男、ガルグレイドの詰問をクロスはどう躱すのか。

クロスに心を開いていくエリシア。だがふたりの間にはいくつもの、そして最強の困難が立ちはだかる。集結した当代勇者パーティの思惑と、〈無職〉と次代勇者の間に横たわる深い溝。なんだかんだと敵なしだったクロスくんの前に、ついに世界最強の敵が現れる第六巻。シンプルだけど、ありがちなパワーインフレをうまくコントロールして、飽きさせない話作りがなされていたと思う。いいところで終わっているので、次も楽しみにしています。