「勉強も運動もできないし、料理とか裁縫とか女の子らしいこともできないし……」
「………………」
「……私、美少女であること以外何の取り柄もないんだ」
「ああ、その一点は揺るぎない自信があるんだね」
放課後の教室でアンニュイな表情を浮かべるクラスメイト、愛原そよぎ。彼女の風変わりななやみごと相談を受けた僕は、それから彼女のなやみごとと秘密に触れることになる。
「時を止める能力者にどうやったら勝てると思う?」「何もかもを凍らせる能力者をどうやって倒したらいいと思う?」。第1回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞の、アホの美少女との独特なおなやみ相談ラブコメ。テンポの良い会話主体のラブコメかと思ったら、最終章に入って怒涛の勢いがすごかった。ヒロインがアホである理由も、ヒロインの弟の性的嗜好がおかしい理由もちゃんとあるっちゃあるので、そんなに変なことをしているわけではないはず。なんだけども、力技にみえるというか、最終章の有無で印象が良くも悪くも変わる。けっきょく続きは出ていないようなので、変な話を読んだなあ、という感想だけが取り残されることになったのでした。
