空洞ユキ 『殺されて当然と少女は言った。』 (MF文庫J)

『報道が事実であれば、父は殺されても仕方ないと思います』

県会議員、真中理人が自宅で惨殺された事件から一週間。記者会見に臨んだ被害者の娘、真中理央は「父は殺されても仕方なかった」と発言する。逃亡中の容疑者が被害者からいじめを受けていた事実と、彼女が言い放った言葉は、社会に大きな動揺と、少女の神聖化すらもたらすことになる。

娘には、余裕があった。

滅多刺しにされた遺体の第一発見者でありながら、心穏やかに弔問客たちを迎え入れるだけの余裕があった。

「……化け物」

「父は殺されて当然」。この言葉が社会にもたらした影響とその真意とは。第21回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作。超常存在のいない「デスノート」みたいな話だな、という第一印象。主人公の少女を描くための物語なのに、描けば描くほど空洞でしかないことが際立っていくというか。現代社会の闇みたいなものをとりとめなく書いているようで、書けば書くほど、その中心でトリックスターを演じる少女には何もないことが見えてくる、というか。自分にはうまい言葉がなかなか思い浮かばない。一言で言うなら、変な百合小説でした。