鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。9』 (MF文庫J)

こうした近距離の銃撃戦というのは、プレイヤーに特有のものであろう。〈防腐処理〉の効用があるため、銃創は必ずしも致命的な怪我とはならない。現に、神楽(カグラ)にしても幽鬼(ユウキ)にしても、一発ずつ弾丸をもらっていながらも元気よく動いているわけだ。プレイヤーにとって、銃は決して必殺の武器ではなく、言い訳のきかない至近距離から急所に打ち込んでやらない限り、決定打にはならない。

尸狼(シロウ)一派と訣別した幽鬼(ユウキ)は、九十九回のクリアを目指し順当にゲームクリアを重ねていた。だが、その肉体は損傷を重ね、爆弾を抱えていた。そして迎えた82回目のゲームで、ついに終わりの始まりがやってくる。

自分でも意外なことに、さほど感情は動かなかった。

もっと、泣いたり喚いたりするものと思っていたのだが。ただ、諦観だけがあった。ついにこうなってしまったか、という。

こんなにもあっけないものか。終わりの始まりというのは。

無意識のうちに「納得のいく負け」を求めていた幽鬼(ユウキ)に訪れる「終わりの始まり」。そして、脱落したプレイヤーの遺体の活用方法について。ゲームの回数的にもクライマックスが近いと思うのだが、交錯するふたつのエピソードともに、ここまで徹底的にやるのか……となった。しかし、暴力的な描写にも冒涜的な描写にもさほど理不尽さがなく、当然の流れとして感じられるのはこれまでの積み重ねあってのことなんだろうな。良い作品になったものだと思います。