- 作者: 佐藤哲也
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/07/09
- メディア: 単行本
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ある惑星での社会/生活/戦争/人々の断片の積み重ね.発展途上国でのヒサンな出来事を描き出したようなエピソードの数々は,地球人が(強制的に?)移送されたどこかの惑星で起こっているという,最低限しか説明されない前提条件が大きな意味を持っている,と思う.社会的にも物理的にも出口の見えない貧困というか荒廃というか,そんなバックグラウンドがあればこそ重い意味を持つのではないかと.外(外国/地球/宇宙)からの救い(介入)は期待できない.そこにいるのはただ当人たちのみという,完璧なまでに人に依存した閉鎖環境.そんな環境において,ヤゴとヴィリの夫婦のやりとりや,マリモ夫人のクリーニング店といった他愛ない(特に前者の)エピソードが,大げさに言えば人類が上手くやっていくための希望なんじゃないかな,と.感想が上手くまとまんなくて申し訳ないですが面白かったです.