本当なら別の可能性だってあったかもしれないのに、時代が価値あるものとして認めなければ、その選択肢はいとも容易く切り捨てられる。
そうして生まれた「選択肢が奪われた世界」がもたらすものとは。
世は冒険者至上主義――実力よりも人気が重視され、冒険者が冒険しなくなった時代。地位や名誉に一切の興味がない冒険者センは、ダンジョン攻略のためにパーティーメンバーを探していた。ダンジョン攻略にガチなメンバーを新聞広告で募集したところ、色々な勘違いからセンにガチ恋するメンバーが集まってしまう。
冒険をしない冒険者がもてはやされる、いびつな「冒険者至上主義」の時代。ソロで冒険を続ける変わり者の冒険者。この時代の空気はどのようにもたらされたのか。SNSとアテンションエコノミーの時代に訴えかけるような、価値観の転変を切り取ったファンタジー。タイトルと前半の流れからディストピア小説になるのは想像できなかった。人々と社会から失われた/残っている熱というテーマがわかるまでが正直長い(前半の勘違いラブコメがずっと続くのかと思った)のだけど、自分の好きなタイプの小説だった。いくつかの謎が残されたままなので、続きが出ること期待しています。デビューから一貫してクォリティの高い作品を描いている作者なのでもっと読まれてほしいな。
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