2024-01-01から1年間の記事一覧

四季大雅 『クラスで浮いてる宇良々川さん』 (ガガガ文庫)

クラスで浮いてる宇良々川さん (ガガガ文庫)作者:四季大雅小学館Amazon 「思うに、“桜の樹の下”というのは、“月の裏側”と一緒だよ。豊かな心というものは、暗闇の奥にも世界を持っている。桜の花と根と、月の表と裏とで、ようやくひとつの世界なんだ。たとえ…

宮内悠介 『暗号の子』 (文藝春秋)

暗号の子 (文春e-book)作者:宮内 悠介文藝春秋Amazon わたし自身、ウェブを覆う野蛮には思うところがある。スマートフォンを使い、常時ウェブを使うわたしにとって、SNSはいわばライフラインだ。けれどその水道には、沈鬱な黒い毒が流れている。 「暗号の子…

二語十 『探偵はもう、死んでいる。12』 (MF文庫J)

探偵はもう、死んでいる。12【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:二語十KADOKAWAAmazon 確かに死者の思いは残る。意志は消えない、遺志は死なない。でも。「そうして死者が残した遺志を、自分だけが継げるものと思い込み、必死に自分を騙して生きていく。残さ…

野﨑まど 『小説』 (講談社)

小説作者:野崎まど講談社Amazon 本を読む。小説を読む。読んでいる間は物語の中にいる。読んでいない時は泥の中のような気分でいる。大好きだった本を読めば読むほど自分が人として駄目になっているように思えた。小説を読むことが頭の中で逃避や慰めという…

川岸殴魚 『シスターと触手2 邪眼の聖女と不適切な魔女』 (ガガガ文庫)

シスターと触手 2 ~邪眼の聖女と不適切な魔女~ (ガガガ文庫)作者:川岸殴魚小学館Amazon 「っていうか、なんすか、全裸の勇者って! おかしいでしょ」「あくまでも異名よ。よく見て、正確には靴下だけ履いているから」……本当だ! イブリルの言うとおり、よ…

秀章 『純情ギャルと不器用マッチョの恋は焦れったい2』 (ガガガ文庫)

純情ギャルと不器用マッチョの恋は焦れったい 2 (ガガガ文庫)作者:秀章小学館Amazon これを幸運と言わずに何と言う。奇跡と呼ばずして何と言う。強くそう思うからこそ、俺は改めて、筋トレに感謝した。やはり筋トレは最高だ。 ダイエット計画を無事完遂した…

桂嶋エイダ 『ドスケベ催眠術師の子3』 (ガガガ文庫)

ドスケベ催眠術師の子 (3) (ガガガ文庫 ガけ 1-3)作者:桂嶋 エイダ小学館Amazon 返される契約書を、俺は手に取った。「ありがとう。そしてお疲れ様。ドスケベ催眠術師の子」 夏休み。ドスケベ催眠術師の子、佐治沙滋の前にひとりの少女が現れる。少女の名前…

逆井卓馬 『よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1-』 (電撃文庫)

よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1- (電撃文庫)作者:逆井 卓馬KADOKAWAAmazon 思うに〈青春〉というのは、よくできた推理小説のようなものである。その渦中にある当事者からしてみれば、自分が何を経験しているのかすらよく分から…

エパンテリアス 『隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた』 (スニーカー文庫)

隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた (角川スニーカー文庫)作者:エパンテリアスKADOKAWAAmazon 「じゃあ私が要求するのは……」「……ごくり」何を要求される?「私と一緒に寝ようぜ?」「……は?」 佐々木健斗はこの四月に大学三年生になっ…

赤城大空 『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう3 ~けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』 (ガガガ文庫)

【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 3~けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?~ (ガガガ文庫)作者:赤城大空小学館Amazon 「よし決めましたの! 血を吸って…

紙城境介 『Tier1姉妹 有名四姉妹は僕なしでは生きられない』 (スニーカー文庫)

Tier1姉妹 有名四姉妹は僕なしでは生きられない (角川スニーカー文庫)作者:紙城 境介KADOKAWAAmazon だとするならば、教えてほしい。人を好きになるって言うのはどういう感覚なんだ。ただ一時でもそれを知ったのなら、僕の中にもそういう感情が眠っているの…

紙城境介 『継母の連れ子が元カノだった12 男なんて一人しかいない』 (スニーカー文庫)

継母の連れ子が元カノだった12 男なんて一人しかいない (角川スニーカー文庫)作者:紙城 境介KADOKAWAAmazon 好きだったんだ。こいつのことが、大好きだったんだ。だから、違う。こんな未来は違う。こんなのは望んじゃいなかった。こんなのは思い描いちゃいな…

紙城境介 『シャーロック+アカデミー Logic.3 カラスが虹に染まるとき』 (MF文庫J)

シャーロック+アカデミー Logic.3 カラスが虹に染まる時【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:紙城 境介KADOKAWAAmazon 俺にとっての……探偵。少なくとも、穂鶴が言うような、真実を解き明かせば何をしてもいい、というものじゃない。だからと言って、伝記小説で…

献鹿狸太朗 『みんなを嫌いマン』 (講談社)

みんなを嫌いマン作者:献鹿狸太朗講談社Amazon いつだって自分にはみんなしかいないのに、みんなには自分以外がいるという強迫観念が旋毛に照準を合わせて圧をかけた。おかしな話だ。至にしか守れない世界があるのに、至だけを守ろうとする世界はどこにもな…

瀬尾順 『死に至る恋は嘘から始まる』 (新潮文庫nex)

死に至る恋は噓から始まる (新潮文庫nex)作者:瀬尾 順新潮社Amazon ああ、急に叫びたくなってきた。世界中の、私を嫌って孤独に追いやったヤツら全員に対して。「ざまあみろ―――――――――――――――――っ! あはははははははははっ!」 高二の夏。教室で息を潜めて生…

宮澤伊織 『裏世界ピクニック9 第四種たちの夏休み』 (ハヤカワ文庫JA)

裏世界ピクニック9 第四種たちの夏休み (ハヤカワ文庫JA)作者:宮澤 伊織早川書房Amazon 「裏世界のことはわからないが、怪談は人間のものだ。人間の言葉で語られ、人間の概念で作られる言語空間だ。それを裏世界が利用しているとしたら、そこで使用される語…

土車甫 『好きな子の親友に密かに迫られている2』 (角川スニーカー文庫)

好きな子の親友に密かに迫られている2 (角川スニーカー文庫)作者:土車 甫KADOKAWAAmazon おそらく、どん底にいた俺を引き上げてくれた彼女に初めて抱いた念は尊敬だった。でも俺は男で。彼女は魅力的な女の子で。それが恋に変わるまで時間なんて必要なかっ…

優汰 『この恋、おくちにあいますか?2』 (MF文庫J)

この恋、おくちにあいますか?2【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:優汰KADOKAWAAmazon それとこの女の子が誰かという話だが、答えはそう難しくない。――この子って、やっぱ。 君波透衣の婚約者となった白姫リラ。その口から明かされた真実に、様々な葛藤を抱え…

枢木縁 『横溝碧の倫理なき遊戯の壊し方』 (MF文庫J)

横溝碧の倫理なき遊戯の壊し方 (MF文庫J)作者:枢木 縁KADOKAWAAmazon 「……貴方は一体、何と戦っているんですか?」「俺は世界と戦っているんだよ。SNSってのはだな。キラキラした投稿をして、世界中の奴らとマウントを取り合う戦場なんだよ」 SNS上の探偵ク…

鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。7』 (MF文庫J)

死亡遊戯で飯を食う。7【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:鵜飼 有志KADOKAWAAmazon 「うん」と幽鬼(ユウキ)は言う。「協力してもらってるからね。約束するよ」あっさりとした答えであった。しかし、幽鬼(ユウキ)にとっての約束は、命よりも重い。 けじめ。幻…

伏見七尾 『獄門撫子此処ニ在リ3 修羅の巷で宴する』 (ガガガ文庫)

獄門撫子此処ニ在リ 3 ~修羅の巷で宴する~ (ガガガ文庫)作者:伏見七尾小学館Amazon 「母親とも呼びたくねぇ、こんな奴」――吐き捨てるような言葉とともに、棺は炎に包まれた。 春も近い3月の京都。撫子とアマナは、撫子の従姉妹を名乗る少女、獄門杓奈に襲…

野中春樹 『嫉妬探偵の蛇谷さん』 (ガガガ文庫)

嫉妬探偵の蛇谷さん (ガガガ文庫)作者:野中春樹小学館Amazon 「いいわ……っ! 最低に見苦しくて……あなた最高。でも――私を悪者にするのは……」囁くように、低く低く先輩は声を出した。「――死んでも許さないから」 園芸部所属、蛇谷カンナ、行動原理は「嫉妬」。…

鳴海雪華 『余命わずかなキミと一緒に、初恋を探しに行く』 (MF文庫J)

余命わずかなキミと一緒に、初恋を探しに行く (MF文庫J)作者:鳴海 雪華KADOKAWAAmazon 噂は消え、変わるところは変わり、変わらないところは変わらず。エモいことを見つけられていないのに、僕らの日常は歪むだけ歪み、摩耗し、そして消費されている。 高校…

てにをは 『ヤクモとキリヱ』 (MF文庫J)

ヤクモとキリヱ【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:てにをはKADOKAWAAmazon 「侵略的外来呪タニファ。報告にあった通りでした。不忍池の霊的異変の元凶です。河童を捕食して増えていたことは想定外でしたけど」 古来から存在する「在来呪(しゅ)」を喰い荒らす…

香坂マト 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います8』 (電撃文庫)

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います8 (電撃文庫)作者:香坂 マトKADOKAWAAmazon 「いい? アシュリー」アリナはにっこり笑うと、一言一言言い聞かせるように、アシュリーの目をのぞき込んでゆっくりと口を動かした。「世の…

王城夕紀 『ノマディアが残された』 (中央公論新社)

ノマディアが残された作者:王城夕紀中央公論新社Amazon 「ウイルスの伝染力は恐ろしい。が、それ以上の伝染力をもつのが言葉だ。言葉は伝染する。伝染し、増殖し、変異し、感染した人間を変容させる。その感染力のおよぶ過程が、人間の歴史と呼ばれる。人間…

榛名千紘 『異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち』 (電撃文庫)

異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち (電撃文庫)作者:榛名 千紘KADOKAWAAmazon あなたという存在はこの世に唯一。だから自分らしさ、個性を大切にしよう、だなんて。歴史上、最も真実から遠いスローガンだと僕は思っている。だって、ここで言う『個性…

青葉寄 『夏に溺れる』 (ガガガ文庫)

夏に溺れる (ガガガ文庫)作者:青葉寄小学館Amazon 一緒に殺そうよ。まるでコンビニにでも誘うような、気やすい誘い方。お菓子を買うのと人を殺すのは、わけが違うのに。数日前まで光に「人を殺すってどういうことかわかってるの?」なんて言っていた私は、そ…

中島リュウ 『砂の海のレイメイ 七つの異世界、二つの太陽』 (ガガガ文庫)

砂の海のレイメイ ~七つの異世界、二つの太陽~ (ガガガ文庫)作者:中島リュウ小学館Amazon 「……月兎だ。月に、兎と書く」「月兎、かぁ……月兎、ゲット。ゲット!」繰り返すたびに目を輝かせ、レイメイは身を乗り出した。黒髪の隙間から、どこか懐かしい、石…

長山久竜 『星が果てても君は鳴れ』 (電撃文庫)

星が果てても君は鳴れ (電撃文庫)作者:長山 久竜KADOKAWAAmazon 「お前らが音楽の力を信じなくて、どうすんだよ」人はそれを、希望と呼ぶ。希望には、人を変える力があると誰かが言っていた。 人間のあらゆる営みから受け取る、共感覚のようなノイズに侵され…