2024-01-01から1年間の記事一覧

鵜飼有志 『死亡遊戯で飯を食う。7』 (MF文庫J)

死亡遊戯で飯を食う。7【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:鵜飼 有志KADOKAWAAmazon 「うん」と幽鬼(ユウキ)は言う。「協力してもらってるからね。約束するよ」あっさりとした答えであった。しかし、幽鬼(ユウキ)にとっての約束は、命よりも重い。 けじめ。幻…

伏見七尾 『獄門撫子此処ニ在リ3 修羅の巷で宴する』 (ガガガ文庫)

獄門撫子此処ニ在リ 3 ~修羅の巷で宴する~ (ガガガ文庫)作者:伏見七尾小学館Amazon 「母親とも呼びたくねぇ、こんな奴」――吐き捨てるような言葉とともに、棺は炎に包まれた。 春も近い3月の京都。撫子とアマナは、撫子の従姉妹を名乗る少女、獄門杓奈に襲…

野中春樹 『嫉妬探偵の蛇谷さん』 (ガガガ文庫)

嫉妬探偵の蛇谷さん (ガガガ文庫)作者:野中春樹小学館Amazon 「いいわ……っ! 最低に見苦しくて……あなた最高。でも――私を悪者にするのは……」囁くように、低く低く先輩は声を出した。「――死んでも許さないから」 園芸部所属、蛇谷カンナ、行動原理は「嫉妬」。…

鳴海雪華 『余命わずかなキミと一緒に、初恋を探しに行く』 (MF文庫J)

余命わずかなキミと一緒に、初恋を探しに行く (MF文庫J)作者:鳴海 雪華KADOKAWAAmazon 噂は消え、変わるところは変わり、変わらないところは変わらず。エモいことを見つけられていないのに、僕らの日常は歪むだけ歪み、摩耗し、そして消費されている。 高校…

てにをは 『ヤクモとキリヱ』 (MF文庫J)

ヤクモとキリヱ【電子特典付き】 (MF文庫J)作者:てにをはKADOKAWAAmazon 「侵略的外来呪タニファ。報告にあった通りでした。不忍池の霊的異変の元凶です。河童を捕食して増えていたことは想定外でしたけど」 古来から存在する「在来呪(しゅ)」を喰い荒らす…

香坂マト 『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います8』 (電撃文庫)

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います8 (電撃文庫)作者:香坂 マトKADOKAWAAmazon 「いい? アシュリー」アリナはにっこり笑うと、一言一言言い聞かせるように、アシュリーの目をのぞき込んでゆっくりと口を動かした。「世の…

王城夕紀 『ノマディアが残された』 (中央公論新社)

ノマディアが残された作者:王城夕紀中央公論新社Amazon 「ウイルスの伝染力は恐ろしい。が、それ以上の伝染力をもつのが言葉だ。言葉は伝染する。伝染し、増殖し、変異し、感染した人間を変容させる。その感染力のおよぶ過程が、人間の歴史と呼ばれる。人間…

榛名千紘 『異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち』 (電撃文庫)

異能アピールしないほうがカワイイ彼女たち (電撃文庫)作者:榛名 千紘KADOKAWAAmazon あなたという存在はこの世に唯一。だから自分らしさ、個性を大切にしよう、だなんて。歴史上、最も真実から遠いスローガンだと僕は思っている。だって、ここで言う『個性…

青葉寄 『夏に溺れる』 (ガガガ文庫)

夏に溺れる (ガガガ文庫)作者:青葉寄小学館Amazon 一緒に殺そうよ。まるでコンビニにでも誘うような、気やすい誘い方。お菓子を買うのと人を殺すのは、わけが違うのに。数日前まで光に「人を殺すってどういうことかわかってるの?」なんて言っていた私は、そ…

中島リュウ 『砂の海のレイメイ 七つの異世界、二つの太陽』 (ガガガ文庫)

砂の海のレイメイ ~七つの異世界、二つの太陽~ (ガガガ文庫)作者:中島リュウ小学館Amazon 「……月兎だ。月に、兎と書く」「月兎、かぁ……月兎、ゲット。ゲット!」繰り返すたびに目を輝かせ、レイメイは身を乗り出した。黒髪の隙間から、どこか懐かしい、石…

長山久竜 『星が果てても君は鳴れ』 (電撃文庫)

星が果てても君は鳴れ (電撃文庫)作者:長山 久竜KADOKAWAAmazon 「お前らが音楽の力を信じなくて、どうすんだよ」人はそれを、希望と呼ぶ。希望には、人を変える力があると誰かが言っていた。 人間のあらゆる営みから受け取る、共感覚のようなノイズに侵され…

東崎惟子 『王妹のブリュンヒルド』 (電撃文庫)

王妹のブリュンヒルド 竜殺しのブリュンヒルド (電撃文庫)作者:東崎 惟子KADOKAWAAmazon 現れたのは醜い化け物だ。千切れた翼に白濁した片眼。鱗はなく、肌には無数の傷が走っていて、気の弱い者ならば見ただけで卒倒してしまうだろう。だが、その尋常ならざ…

増田こうすけ 『ギャグ小説日和 転校生』 (集英社)

ギャグ小説日和 転校生 (ジャンプジェイブックスDIGITAL)作者:増田こうすけ集英社Amazon 僕たちがビーチに一番近いバス停で降りるまで、結局新たな乗客は現れなかった。下車するやいなや、早速浮き輪に息を吹き込みながら小さめのビーチサンダルをキュッキュ…

髙村資本 『恋は双子で割り切れない6』 (電撃文庫)

恋は双子で割り切れない6 (電撃文庫)作者:高村 資本KADOKAWAAmazon 絵の具を垂らしたみたいに街灯が丸く滲んで、瞬きと同時に形を取り戻す。世界はこの繰り返しだ。次第に境界がぼやけていって、気付けばエンティティが確立される。狭隘で小さな、半径数メー…

駿馬京 『あんたで日常(せかい)を彩りたい2』 (電撃文庫)

あんたで日常を彩りたい2 (電撃文庫)作者:駿馬 京KADOKAWAAmazon 「風刺でもない。写実でもない。あたしの中には『ヴァニタス』がある」 芸能・芸術を志す生徒が集まる朱門塚女学院。一年の締めくくりとして開催される「初花祭」に向けて、夜風と棗は作品制…

小林達也 『スワンプマン芦屋沼雄(暫定)の選択』 (メディアファクトリー)

スワンプマン芦屋沼雄(暫定)の選択【電子特典付き】作者:小林 達也KADOKAWAAmazon 「じゃあ、俺は誰なんだ?」「珠雄さんの意識が消滅した後にその肉体に生じた、別の存在ということになります」察しは付いていたが、改めて他人の口から聞かされると重みが…

柞刈湯葉 『幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする』 (新潮文庫nex)

幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする(新潮文庫nex)作者:柞刈湯葉新潮社Amazon 「いや、幽霊が科学を信じていいんですか?」「え、どうして駄目なの?」「だって、科学は幽霊を信じてないんですよ」と言うとハルさんは首をかしげた。「それの何…

篠谷巧 『夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体』 (ガガガ文庫)

夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体 (ガガガ文庫 ガし 9-1)作者:篠谷 巧小学館Amazon 「昔行った夏祭りも、全然違う場所のお祭りも、全部繋がってるような感じがする。小学生の頃に三狛江で夏祭りへ行った私も、三十歳になって、そのとき住んでる町の夏…

赤城大空 『出会ってひと突きで絶頂除霊!11』 (ガガガ文庫)

出会ってひと突きで絶頂除霊! 11 (ガガガ文庫)作者:赤城大空小学館Amazon 「〈サキュバスの陰核〉。あのパーツは時間停止スイッチと化したクリ◯リスを押し込むことで時間を停止させるのですが、その際により強く押し込むことでひときわ強力な時間停止能力…

枯野瑛 『輪転式ステレオプティコン - jailed in 2002 -』 (角川書店)

輪転式ステレオプティコン - jailed in 2002 -作者:枯野 瑛KADOKAWAAmazon 「やれやれ。タイムリープというものは、あれだな。読んでいるぶんには楽しいが、モブ側として体感するとややこしいものだな」 2002年6月5日、午前6時17分32秒。東京と呼ばれていた…

東崎惟子 『少女星間漂流記2』 (電撃文庫)

少女星間漂流記2 (電撃文庫)作者:東崎 惟子KADOKAWAAmazon 「でも、優しくて真面目な奴って、小説書くの向いてないよ」「そうなの?」「そうだよ。小説って、性格悪くて、穿った物の見方する奴が書くから面白いんだよ。少なくとも私はそういう書き手の書くも…

緒乃ワサビ 『天才少女は重力場で踊る』 (新潮文庫nex)

天才少女は重力場で踊る(新潮文庫nex)作者:緒乃ワサビ新潮社Amazon 「未来とのやりとりができる装置。リングレーザー通信機。どうだい、夢のようだろう」どう返事すればいいかわからず、曖昧なうなずきだけを返した。 物理学科4年の万里部鉱は、単位のため…

新八角 『小説 劇場版モノノ怪 唐傘』 (角川文庫)

小説 劇場版モノノ怪 唐傘 (角川文庫)作者:新 八角KADOKAWAAmazon 「これが……大奥だというのか。三郎丸はとうとう全身から力が抜け、頽れた。「こんなものが……」 三千人の女が暮らす大奥の門を、新人女中のアサとカメがくぐる。大餅曳の儀を前にして落ち着き…

零余子 『夏目漱石ファンタジア2』 (富士見ファンタジア文庫)

夏目漱石ファンタジア2 (富士見ファンタジア文庫)作者:零余子KADOKAWAAmazon シャーロック・ホームズは世界にしっかりと爪痕を残していた。ホームズの冒険の熱に頭の回路を焼き切られた者は数多いる。彼らはホームズの叡智が供給されているうちは人間として…

八目迷 『ミモザの告白5』 (ガガガ文庫)

ミモザの告白 5 (ガガガ文庫)作者:八目迷小学館Amazon 自由とは、本能の奴隷で。普通とは、価値観の押しつけで。恋愛とは、傷つけ合うことの承認で。何気ない言葉に隠れた暴力性に気づいたとき、息が詰まって、何も言えなくなる。「なんも分からん……」俺の…

芝宮青十 『美少女フィギュアのお医者さんは青春を治せるか』 (電撃文庫)

美少女フィギュアのお医者さんは青春を治せるか (電撃文庫)作者:芝宮 青十KADOKAWAAmazon 「でね、書いてみたら、なんだかとっても楽しくなってきちゃって! 話を考えるのは大変だったけどわくわくしたし、キャラクターはみんな私の子供みたいに可愛く思えて…

二月公 『声優ラジオのウラオモテ #11 夕陽とやすみは一緒にいられない?』 (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #11 夕陽とやすみは一緒にいられない? (電撃文庫)作者:二月 公KADOKAWAAmazon 歌種やすみは、夕暮夕陽をずっと追いかけていた。彼女は今頃、千佳の背中が近付いたことを喜んでいるかもしれない。けれど、追われる身としては――。「あ…

二月公 『声優ラジオのウラオモテ DJCD』 (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ DJCD (電撃文庫)作者:二月 公KADOKAWAAmazon 三十分しかないラジオ番組、その中のさらに数分のために、こんな労力と時間を使う羽目になるなんて。だから、誕生日プレゼントなんて面倒くさいのだ。そう思いながらも。この時間は、そこ…

二月公 『声優ラジオのウラオモテ #10 夕陽とやすみは認められたい?』 (電撃文庫)

声優ラジオのウラオモテ #10 夕陽とやすみは認められたい? (電撃文庫)作者:二月 公KADOKAWAAmazon 「声優なんて、俳優になれない人がやる妥協の仕事でしょう……。役者の出来損ない。アニメ、とかゲーム? とか? 映像やほかの媒体がないと、演技すらさせても…

にのまえあきら 『無貌の君へ、白紙の僕より』 (メディアワークス文庫)

無貌の君へ、白紙の僕より (メディアワークス文庫)作者:にのまえ あきらKADOKAWAAmazon 断言できる。彼女は、変わってしまった。初恋の少女は、もはやどこにもいない。 高校二年の二学期。優希は自称“無貌の君”、さやかと六年ぶりに再会する。かつて一緒に絵…