北川拓磨 『A&A アンドロイド・アンド・エイリアン 星にいくつかの願いを』 (スニーカー文庫)

星は多く、宇宙は広い。
いないと思っていた宇宙人がいるように、もしかしたら、願いを叶えてくれる星だって、あるかもしれない。
星がまたひとつ流れ落ちる。

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事故によりアンドロイドになってしまった光輔と,エイリアンのなかでも変わり者のイリア.凸凹コンビの奇妙な関係は,少しずつ形を変えながら,ゆっくりと過ぎてゆく.
『A&A アンドロイド・アンド・エイリアン 未知との遭遇まさかの境遇』の続編.ベースになるのは,非常に静かなトーンで描かれた,ゆったりした学生生活.他愛ないラブコメ時空も,しみじみと読ませてくれる.そんなトーンに乗せて描かれるのは,ひとならぬ身であるアンドロイドの孤独,エイリアンの孤独.万能感と引き換えに,ひとと同じ感覚を共有できなくなった光輔のアイデンティティ.ひとりでずっと孤独を抱えていたイリア.それぞれの持つわだかまりと孤独が,優しくほどけていく過程がすごく良かった.
しかし,あとがきによるとここで終わりらしいのよね…….まだまだ書けそうなのにもったいないけど,仕方ないのかなあ.作者さんの筆力は信頼に足るものだと思うので,次回作が出ることを心よりお待ちしております.