踊る人形 名探偵三途川理とゴーレムのEは真実のE (講談社BOX)
- 作者: 森川智喜,平沢下戸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/09/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読者の皆さん! 皆さんは不死身の人間というものを知っていますか。
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自分こそが不死身人間だという人は手を挙げて下さい。……。おやおや、どうやら読者の中に不死身人間はいないようですね。
長年の研究の末,南エリカ博士は不老不死の人形男を創造することに成功する.世界でただひとりの孤独に苦しむ人形男は,自分と同じ存在を創らせようと南博士を監禁する.この事件に立ち向かう少年探偵隊と我らが名探偵,三途川理であった.
孤独なゴーレムに立ち向かう少年探偵隊とゲス探偵三途川理.少年探偵団を模した軽妙な文体(句点がカギカッコの中にある)で乗せられるように読ませられるし,不老不死の人形男の物理的特性(?)がとても楽しい.耳を外せば盗聴器,片腕と片脚と片目だけを外してつなぎ合わせればカラカサなしのカラカサ小僧みたいにぴょんぴょん跳ねまわる.工夫のしがいのある肉体と,賢くも間の抜けたところのある人形男のキャラクターもがっちり両輪として噛み合う.そして過去二作にましてゲス具合が増している三途川理.楽しかったです.安定したシリーズになってきたなあ.デビュー作も文庫化されたことだし,上のキーワードに興味が湧いたなら手にとってみればいいさ.