リック・ヤンシー/堺三保訳 『アルフレッド・クロップの奇妙な冒険』 (ソフトバンククリエイティブ)

現代アメリカを舞台に円卓の騎士の末裔たちがアーサー王の聖剣を巡って争うジュヴナイル・ファンタジー.愚鈍な少年が出会って,冒険して,戦って,成長するといった,ジュヴナイルに必要十分な要素がコンパクトかつ上品にまとまっている印象.特別目新しい部分は見当たらず,悪役たちも実にアメリカ的なわかりやすさ.でもそのぶん「いかにも」なジュヴナイルになっていて楽しくも懐かしかった.子どもの頃にこういう話をよく読んだなぁ,と.これはまあ各人の読書体験に依存する.表紙は西島大介だけど内容はひねていない真っ当な話*1なので,ジュヴナイルが好きなら読んでみてもいいんじゃないかしら.

*1:(笑)