古橋秀之『ブライトライツ・ホーリーランド』 (電撃文庫)

世界はぬるぬるぐちゃぐちゃした混沌に満ちている.っていうのはこの小説の趣旨ではない.が,読んでみると球体関節人形が吸血鬼がうごくだいぶつが読む者に絡み付いてくる.これがずるずるべとべとととっても粘っこい.でもって熱い.
ブラックロッド』では並置されていただけに感じられた多様なガジェットが本作ではくどいくらいに立てられたキャラクターたちとうまいこと絡み合っている.5年の歳月は伊達ではなかったわけだ.7.0.