ブルース・スターリング/小川隆訳 『塵クジラの海』 (ハヤカワ文庫FT)

塵クジラの海 (ハヤカワ文庫FT)
スターリングのデビュー作.原著の出版は1977年.
塵でできた海,そこに住む生き物の生態という思考実験的な部分は非常に面白かった.けど,デスペランドゥム船長はともかく,出てくる人物(主人公含め)がどうにもドライというかクールというか,入り込めない.帯の惹句↓には共感できなかった.

21歳のぼくが書いたこの物語には、若者が愛する人生のすべてが詰まっている。

この小説に「人生のすべてが詰まっている」とすると,人生乾きすぎじゃないですか.