筒井康隆 『天狗の落し文』 (新潮文庫)

天狗の落し文 (新潮文庫)

天狗の落し文 (新潮文庫)

単行本で読んでいたのでこれが再読.こういった本が商業出版されたという事実が面白い.内容云々と関係ない部分でいろいろ邪推してしまう.
以下邪推.
それなりにまとまったアイデアがある一方でポツリと浮かんだどうでもいい一言が書き留められていたりと統一がない(そういう狙いだろうけど).このうち前者は作者の技量なら短編に膨らませることは十分可能だと思うのだけど,なぜこういった形で発表したのだろう.ひとつのアイデアから派生するタイプの短編をもう書くつもりがないのだろうか.
後者については世のテキストサイトや掲示板で書き捨てされるネタと大して変わりなく,「盗用御自由」といわれても.意図が良く掴めない.
大御所になるといろいろあるのかなあ.
邪推終わり.
長くても3ページほどでひとつの区切りを迎えるので気張らず読める点はいいのかも.