桜庭一樹による『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』のノベライズ．しかしその出来は，カスタマーレビューに辛い評価が並んでいるのもむべなるかな，といった感じ．
私が最初から最後まできちんと観た唯一の平成ライダーが「555」なんだけど，劇場版は未見．
なので以下は想像だけども，シナリオの表層をとにかくすべて洗い出して書き付けただけ，に見えた．人物の描写もやたら説明的．粗筋を書いただけで小説になっていないというか，桜庭一樹の脚色がぜんぜん入ってないんじゃないかしら．おかげで井上敏樹のシナリオのおかしな部分が浮き彫りにされていて，なんとも珍妙な一冊になっている．
これは悪い桜庭一樹．
