上野遊 『彼女は帰星子女3』 (電撃文庫)

彼女は帰星子女〈3〉 (電撃文庫)

彼女は帰星子女〈3〉 (電撃文庫)

宇宙からやって来たひとりの少女を巡って国際社会が揺れ動く,って話.2巻がミクロなテーマだったので3巻はグローバルな展開になるのはまあ順当な構成.もっとお気楽に進むのかなとは思っていたけど.
堅実でそこそこ読ませる作り.ではあるけど如何せん地味.舞台となる掛橋市や国際政治の描写は丁寧でわかりやすく好感が持てるんだけど,そっちにページを割きすぎたせいか,キャラクターの描写は相対的に少なくなっていて,結果としてインパクトが弱くなっている.ただ2巻に比べるとそのバランスがかなり上達しているのは間違いないので,これからかもなぁとも思う.
しっかしサブヒロイン・穂高の扱いがひどいなぁ.過去いろいろ読んだ中でもトップクラスに報われてない.不憫すぎる (つд`) 不憫な女の子萌えなひとにはお薦めしてもいいかもしれないです.