東亮太 『マキゾエホリック Case3:魔法少女という名の記号』 （スニーカー文庫）

マキゾエホリック Case3:魔法少女という名の記号 (角川スニーカー文庫)

あーなるほど，「記号」を予め与えられたキャラクターに，巻ごとに順々にスポットライトを当てることで「人物」として一歩脱却させるという手法だったのか．記号を保ちながらも変化と成長もするという．「記号以外の意味・行動・人物像をキャラクターに与えないドライなパズル的小説」というのが1巻の私の感想だったのだけど，だいぶ払拭された．パズル的という印象は変わらないけど，ドライで淡々という印象は無くなった．もちろん良い意味で．まあぶっちゃけ「ネギま」式手法と言ったら終いだけど．
同時進行する謎や事件も2巻に比べるとすっきりまとめられて読みやすくなっていたと思う．伏線の張り方・回収の仕方はやはり綺麗で上手い．この辺は【受難】【委員長】【黒幕】という変わらない安定軸が据えられているのがたぶん大きい．
ということで面白かった．やっぱりこの作風好きだわ．続編にも期待してます．