土橋真二郎 『扉の外』 （電撃文庫）

扉の外 (電撃文庫)

「キレイな山田悠介」だった，で伝わるかしら．最近立ち読みした新刊『ドアD』になーんか似てると思ったもので．両者のレビューを探すと，連想する作品として『CUBE』，『SAW』，『バトル・ロワイアル』を共通してあげている人が多くてなんとなく納得した．源流はそのあたりなんだろうけど，個人的には冒頭の喩えがしっくり来る感じ．
群像劇を書こうとしたのかもだけど，各人物・集団の行動原理があまりに薄っぺら．まったくもって受け入れがたい．いろいろぼやかした設定にラストも，単に何も考えてなかったんじゃないかと思える詰めの甘さ．青臭いとか主人公がどうこうとか，それ以前の問題だと思った．