白川晶 『くみちょ!2 3億円をとりかえせ!』 (スーパーダッシュ文庫)

ヤクザ組長であるところの 10 歳の幼女に全裸で迫られたりする話の第二弾.全体的にあっさりさくさく話が進行するのは 1 巻と同じ.ハーレムルートを突き進んでいる(作中の表現)わりにウハウハ感が薄いのは主人公がやたら冷静なせいだろうなあ.お約束のシチュエーションを前にしてまったく心の揺れを表さない枯れた少年がひとり.あまりに悟りすぎでお前は仏かと.お約束を楽しむのが主眼であろう話なのにこれじゃどこを読めばいいのかと.ここ 10 年くらいのオタ向け作品において増加した,妙に達観した主人公の一例だと思うんだけど,それを極端にすると話が枯れすぎて面白くなくなることを実感したというか.エロい男を出してエロいことをさせないより,エロくない男を登場させてそのまま行動させるほうが簡単そうだしねぇ*1.というかぶっちゃけいやいや書いてるんじゃないかと邪推してるんだけどどうかね.好きだから書いているという感じがまったくせず,かといって商売に徹する姿勢にも見えず.一定の筆力はあると思うんだけどこれは正直厳しいす.

*1:そのうえでやるべきことだけヤれば各メディアへの展開も容易なエロゲがいっちょあがりなわけです