桜坂洋 『All You Need Is Kill』 (集英社スーパーダッシュ文庫)

舞台は戦場.キリヤ・ケイジは何度も繰り返される一日から生きて脱出することができるのか.

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

ループものの特性を生かした小道具・セリフの使い方が非常にうまい.人物の描写も淡々としていながらしっかりしており(お約束なキャラクターはこの作品では不要に感じたけど),魅き込まれた.完成度は高い.
TVゲーム的*1な人生救済は人に幸福な結末をもたらすのか,というある種のシミュレーション小説といえるかも.ギャルゲ者としてはそういう意味でも興味深い物語だった*2
第二章のラストなど,微妙におかしな点がちらほら見えたのはちょっと気になった.これが飲み込めるか否かで評価は変わってくると思う.

*1:あとがきでほのめかされている

*2:真っ先に思い出したのはギャルゲではなく『シレン』だったが