桜庭一樹 『荒野の恋 第一部 catch the tail』 (ファミ通文庫)

荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

言霊を感じる．
端々で見られる文章表現，台詞，心理描写．そのひとつひとつがえらく生々しく感じられた．まるで目に見えないなにかが言葉のうえに乗っかっていて，読み手である私を圧迫してくるような，そんな感覚．ただ技巧を尽くしただけではない，言葉の力のようなものを実感した．それがつまり言霊．すごい．
(ここで素に戻る)まあ生々しいつっても私の感じたのは20代半ばのオタ野郎が中学1年生女子に抱くイメージがもととなった生々しさなんで，ほかのひとはどう思うかはよくわからないのですが．
どっちにしろ私の感想は変わりません．手放しで大絶賛ですよ，ええ．全三部作とのことで，続きが今からすっげぇ楽しみであります．
最後にもう一回．すごい．