ひと夏のなんとやら.青春小説としてはド真ん中の正統派,だと思う.良い.
物語はシニカルな筆致で淡々と進む.1巻では悠有の時間跳躍を除けば(それがでかいんだが)たいしたなにかが起こるわけでもない.けど,あちらこちらに伏線,つか「なにか残酷なことが起こりそうな予感」が散りばめられてて,「夏の空気」と相まってそれだけでなんとも切ない.面白いんだけど,いやーなことが起きそうで,落ち着かない気分に苛まれた.この感覚,秋山瑞人を読むときの心境に近いかも.
- 作者: 新城カズマ,鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 文庫
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