- 作者: 大凹友数,KEI
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/10
- メディア: 文庫
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
プロフィールによると作者はひきこもりらしい.経歴が似ていると創作物まで似てくるのか,主人公は半ひきこもりの駄目人間だったり,なぜか近づいてくる女の子がいたりと,雰囲気としては『NHKにようこそ!』(原作のほうね)に近い感じ.ただしクスリは出てこない.
違うのは,あっちは駄目野郎をネタ的に,おもしろおかしく尚且つ痛く料理しようという気概が窺えたのに対して,こちらはネガティヴ系駄目人間の心理を比較的なまのまんま描写しちゃっている点.おかげで一部のヒトには「NHK」以上に痛い作品になってるんじゃないかなーと.私もけっこうきた.ゴーレムというファンタジックなものを扱っているのに時折すごく生々しい.
物語はやや強引,かつキャラクターがちょっと弱い気はしたんだけど,この心理描写はかなり評価できると思う.個人的には,今月のMF文庫の新人の中でいちばん面白かった.今後どういう道を辿るのか,昨日の三浦勇雄とは別の意味で興味深い.