平坂読 『ソラにウサギがのぼるころII 〜ash and diamond〜』 (MF文庫J)

ガイシュツネタを寄せ集めて作品の体をなしたものを一本書きました,っつー感じで新鮮味があまりに薄くてどうしようかと思った.
所詮ラノベはパッチワークやモザイクみたいなもの,萌えはモザイクの上のシミュラクラ.モザイクは日本の文化と思うしか.とは言うものの,そのモザイクがあまりに目の粗い雑な作りだったりすると,作品ではなく素材の集まりにしか見えなくなってしまう.ぼんやりした全体像よりパーツに目が行ってしまうのも道理かな.とはいえ全体像を見渡して新しい意味を持たせたモザイクを作るのは簡単なことでは無いし,そもそも新しい何かを産み出す苦労はモザイクの比ではない.先人は偉大だよなあ.みたいなことを考えさせられた.安い結論だね.
リーダビリティは低くないし,飲み込みやすいのが長所と言えば長所なのか.