雨宮諒 『シゴフミ 〜Stories of Last Letter〜』 (電撃文庫)

シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)

シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)

綺麗にまとまっているので読みやすく,マイナスをつけるような欠点は見当たらない.ただ,文伽とマヤマのコンビにデジャヴを覚えるっつーことは置いておくにしても,インパクトは薄かった.「シゴフミ」の使い方が消化できていないせいで,普通の「いい話」で完結している印象.アルコールで手紙を盗み読んでいたことの謎明かしは良かったと思うんだけど,それが「シゴフミ」である必然性はあまり無かった気もするしなぁ.「シュプル」や「夏月の〜」みたいな捻った設定の無い話は良かったと思っているので,もしかして作者には電撃文庫というレーベルが向いていないのでは? とか余計なことを思った.