西尾維新 『刀語 第一話 絶刀・鉋』 (講談社BOX)

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)

西尾維新の時代活劇.予想はついてたけどぜんぜん時代小説じゃ無かった.……と思ったのだけど,よくよく確認したら外箱にも巻中にも「時代小説」や「時代劇」とはひとつも書かれてなかった.織り込み済みなのね.「時代活劇」とそれらにどんな違いがあるのかは知らんが.
で,感想.導入編としてはこんなものかな.肩の力を抜いて読める娯楽小説という印象で素直に楽しかった.ただインパクトはかなり弱かったなぁ.真っ当すぎるくらい真っ当な出だしだったからか.七花と蝙蝠の対決も,過去の西尾作品と比較するとハッタリに欠けて物足りないと感じた.いくら「来月以降のお楽しみ」だからっつってもさ.大仰な設定や怪人が跋扈する(するであろう)様子から山風先生を連想しつつ読んだのだけど,比較するのは現状やっぱり辛いわな.次巻以降でどう転ぶかは気になるかもしれない.
まとめると,気楽に楽しむぶんにはいいんじゃない? というのが個人的な感想.なんだけど,12ヶ月連続刊行ということを考えるとぶっちゃけこのボリュームで 1,029 円は高くないすか? いやまあこの巻はテンション抑え気味だったぽいし,これから盛り上がっていくのだろうと予想はつくんだけど,この巻だけで考えると次以降手を出すか迷いが出るよ.