「象徴
心理療法士」というとっかかりのア
イデアは面白い.ただそれが物語にあまり生かされていない.というより間違った方向に生かされていた.「
人の心を物理的に取り出し、観察し、治療する」場面が,完全にバトルものになっているのはあまりに安直ではないかと.これは
アルターかスタンドバトルかという.このわかりやすさは作者の他の作品でも共通したテイストではあるんだけど,トラウマとか心の傷といったものを物理的な形で引っ張り出して必殺技で退治! ドカーン! はい,治ったー! ってのはあまりに
乱暴すぎじゃない.いやまあここまで脳天気じゃ無かったし,青春の苦悩とか苦労とかのネガティヴさの演出もあったんだけど,どことなく通り一遍で噛み合っていない.わかりやすい爽快感は作者のウリだと思うんだけど,この作品に関して言えば違和感のほうがずっと大きかった.