虚淵玄 『Fate/Zero 2 「王たちの狂宴」』 (TYPE-MOON)

Fate/Zero Vol,2 -王たちの狂宴-

Fate/Zero Vol,2 -王たちの狂宴-

1巻に続き今回もすんげぇ面白かった.出てくるマスターにサーヴァント,すべてのキャラクターがとにかく魅力的なのが良い.クライマックスの「狂宴」もさることながら,序盤の三元同時戦闘でもアイリスフィールと舞弥,セイバーとランサーの共闘と,切嗣とロード・エルメロイとそれぞれに思惑を持ったキャラクターたちの絡み合いが素晴らしい.戦闘のテンポを殺さずキャラクターをきちんと生かしている.そして重苦しくなりそうな展開の中でイスカンダルの豪快なキャラクターが良いアクセントとして効いているのもまた良い.読む手が先へ先へと止まらなかった.
どうみても反則っぽいイスカンダルの宝具に対してセイバーやアーチャーがどう立ち向かうのか.アイデンティティを揺さぶられたセイバーがどう結論をつけるのか(そしてどう「stay night」に繋がるのか).それより何より次巻あたりから本格的に始まるだろう「悲劇」がどう展開されるのか,ほんと楽しみ.ぞくぞくしながら待つ.